先日見た映画に登場した「カワラノギク」を見るためです。→映画『流─ながれ─』公式サイト
住所で言えば、神奈川県愛甲郡愛川町田代というところ。
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初めて見る相模川支流・中津川は、こんな川でした。支流とはいえ広い川です。

ただ、水が少なく、ススキやセイタカアワダチソウなど丈高い草が生い茂っているせいもあって、なかなか水が見えません。

左岸の運動公園野球場の上流側あたりで、堤防から河原に下りると、川と平行に、上流へ向かう道が造られています。
ちょっと河原とは思えない風景ですね。

数分歩いたあたりに、ゴロ石の河原が現れ、カワラノギクが群生していました。

映画の製作・撮影をされた能勢さんからいただいた情報では、11月上旬時点で見頃とのこと。
11月下旬になったらもう花はないかと思っていましたが、思いのほか残っていました。
カワラノギクは日本でも中津川、相模川、多摩川など数河川にだけ自生する植物だそうです。
河川改修やダムの影響などで生育条件が変わり、絶滅種になってしまいました。
*ほかに、徳島の那賀川に自生するナカガワノギクも、野生種としては同じように危機的な状況らしいです。
中津川では、それを憂えた吉江啓蔵さんという方が苦労して栽培・移植され、守られてきたということです。
今、活動は広がってNPO法人に引き継がれています。この日もメンバーらしい方々が熱心に手入れをされていました。

カワラノギクは、一生に一度だけ、花がを咲かせるんだそうです。
でも、一年草ではありません。花が咲くまでには長い時間がかかります。
やせた土地で時間をかけて力をつけて…ワンチャンスに賭ける、って感じでしょうかね。
つまりこの花は、一世一代の晴れ姿なんですね。
たくさんの人々の貴い努力で河原に花が咲いているわけですが、これはいわば花壇。
人の手が入らなくなれば、たちまち消えてしまうでしょう。
小さな花や小さな虫が、ある川から消えてなくなるって、大したことないようでもあり、大変なことのようでもあり。
個人的には、大変なことだと思います。

中津川のカワラノギクやそのほかの生き物については、映画の公式サイトに詳しいことが書かれています(もう一人、中津川の水生昆虫を調査されている齋藤知一さんについても)。
もちろん映画を見れば、中津川の状況がもっとよくわかります。
中津川だけでなく、日本の川全体にも共通する問題も見えてくると思います。機会あればぜひ。
タグ:中津川 カワラノギク