2012年09月11日

折敷地「住吉さまの大杉」

絵本表紙.jpg

岐阜県の丹生川村は2005年に高山市に編入合併され、今は高山市丹生川町といいます。
車で通って眺めた印象では、きちんとした暮らしぶりのうかがえる、きれいな山里です。

旧丹生川村、荒城川上流に「折敷地(おしきじ)」という心引かれる名前の土地がありましたが、こちらは今年5月に完成した丹生川ダムに沈みました。

その折敷地に伝わるお話をまとめた冊子を、岐阜県高山土木事務所が作って無償配布していると聞いて、もらってきました。
薄い冊子ですが、きれいな絵が添えてあって、絵本のようです。

絵本中身.jpg

丹生川ダムの竣工記念、だそうです。
発行部数は500部で、高山土木事務所(飛騨総合庁舎内)、丹生川ダム管理事務所でもらえます。

民話や言い伝えがいくつか掲載されていますが、そのうち「住吉さまの大杉」というお話のあらすじは、こんなのです。

昔、洪水で壊れた樋(水を通す木製の管)復旧のため、国の偉いさんから「住吉神社の大杉(ご神木)を使え」と命令があった。ところが、斧を入れても元通りになったり、やっと切り倒して運んだのに翌日には元の場所へ戻っていたりと、不思議なことが次々と起きた。紆余曲折の末、なんとか樋が完成。が、その晩から大雨で大洪水となり、樋も、村までも、流されてしまった。きっとご神木を切ったから神様が怒ったんだろう。流された樋は越中(現在の富山県)で龍神さまになったそうだ。


集落を湖底に沈めても、神様が怒りませんように。

posted by river at 21:54| Comment(0) | TrackBack(0) |
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